ローカル・ルール
ルールは違う
論文の書き方でも全体の構造やパラグラフといったものは、どのような論文にもすべて共通していますが、残念ながら、それぞれのケースで変えなくてはいけない部分もあります。それは学会や学問分野、あるいは学術誌などがそれぞれに決めている論文のルールが存在することです。
理系と文系の違い
まず理系と文系の書き方には違いがあります。筆者は理系の大学院を出ましたが、科学技術というよりも社会経済に深くかかわる部分を選んだので、文献調査などの対象になったものの多くは、どちらかと言えば文系の文献でした。それで、そうした文献を真似て大学院にレポートを提出したところ、担当の教官に「これは文系の書き方です」と言われてしまいました。
筆者はオーストラリアの大学院へ行っていましたし、日本でも所属している学会は一つだけですから、日本の各学界のことは詳しくは知りません。それでも多分学会ごとにそのような違いはあるのだろうと思います。
どこが違う?
具体的にどのような点が違うのかと言いますと、章立ての仕方、見出し番号のつけ方、図表番号のつけ方、引用の仕方、引用文献や参考文献の表記の仕方、さらには前出書の示し方、などなど、細かい点があります。
こうしたローカル・ルールは、当該分野の代表的な学術雑誌の論文投稿要領や、学会誌の投稿要領を見るとまとめられています。大学の学科の中での簡単な課題程度ならさほどうるさく言われることはないかと思いますが、自分が「まともな」論文を提出する時の練習だと考えれば、自分が最も頻繁に使うと思われるルールにのっとってレポートを書くのが良いと思います。
もちろん、入試の小論文などのようなものなら、できあがりの体裁を統一する必要はありません。ですからこうしたローカル・ルールは気にせず、内容とその構成に注意を払うのが一番です。もちろん一つの論文の中では一つのルールに従う必要はありますけど。
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